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2010年2月 7日 (日)

メグとエリサと「ナママヤバス」

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2月7、8日 ラグナ州 ロスバニョス

メグ(写真右)は、NGOのスタッフの一人。フィリピンで最高位の大学、フィリピン国立大学(University of Philippines)を卒業している。 さすが、教養があって、英語も上手。いろんなことを、わたしに教えてくれた。

メグにわたしが初めて、心を開くことができた日のおはなし。
わたしは数人をのぞいて、NGOスタッフがすきになれなかった。農民さんたちとちがって、英語も通じるけど。現場に行くのは嫌らしい、仕事は仕事、と割り切っている。できればもっといい仕事がしたいと、日本の雇用の話をよくきいてくる。「自分とは、ちがう境遇のやつらを助けてやっている」意識を、現地の人からも感じられたこと・・・がっかり。

一方で、家族が農民だとか、当事者のスタッフもいる。彼らはさすが、「ライフワーク」として、真摯に問題に向き合っている。わたしがここフィリピンで会いたいのは、彼らのような活動家たちだ。

高学歴のメグに、あまり期待はしていなかったのだけど・・・違った。彼女は農民出身でもないが、ちゃんと仕事に向き合って、農民の問題を考えている。はじめて二人で車内、移動中の数時間にいろいろ話すことができた。

“ナママヤバス”は、彼女がおしえてくれた言葉のひとつ。
現地語で「バヤバス」は英語ではおなじみの「グアバ」のこと。緑色で一見硬いけど、皮をかじると、ピンク色で細かい種のつぶつぶ果肉がさくっという。甘いよりかは、みずみずしくてさっぱりとした味。さっと手をのばしてとったら、そのまま口にぱくっ。たまに、まだ熟れていないのをかじってしまうとシブーい味がする。
ナママヤバス は、そんな木の実をとりながら、歩くこと。「みちくさ」って意味もあるのだって。
なんか、すきだと思ったこの言葉。
わたしの語彙は、日常会話から身につけているから・・・文語的、な言葉は、なかなか身につけられない。
昔からだいすきな「ナママヤバス」と、お姉さんのような彼女のこと、大事にすることにした。

・・・

旅の最終目的地は、彼女の家。
大卒なくらいだから、農民たちのような貧しい家庭ではないと予想していたけれど。NGOワーカーの生活は、ごくごく質素だった。
母と妹と、下宿生(写真左)そして2匹のねこと、ちいさなアパートに暮らしている。
彼女の家には本がたくさん。大学院に、いつか進学したいと言っていたっけ。

メグと下宿生のエリサとわたしの3人で、メグの母校を散歩した。農林系学部のあるキャンパスは、森林保護区や鳥園があるほど広大だ。

イロイロ島という、別の島からやってきたエリサ。彼女は14人兄弟で、家系を助けるために首都圏に出稼ぎにきているという。
パン屋でふたり、並んで待っていると、身なりの貧しい子どもが、“バリア・・・”とお金をせがんできた。(バリアとは小銭のこと)
いつも、そうするように。私は、ごめんね、あげられないの、という表情を返す。
エリサを見ると、彼女も相手にしていなかった。

彼女に、わたしがマニラで「ストリートチルドレン」と呼ばれる子どもたちの、施設にいっている話をした。すると、彼女もその類の施設にいたことがある、とごく普通に言った。

なんとなく、それ以上をその時は聞くことができなかった。

エリサは20歳だというけれど、幼く見える。身体が小さいこともあるけれど。メグは、いつもお金の使い方を、彼女に教えていると言った。「貯金をしなさい、節約するのよ。」
資本社会とは疎遠で、自給自足に近い生活を田舎で送っていたエリサには、言い聞かせなければならないことがたくさんあるという。

3人で歩きながら、思った。
フィリピンで暮らして、もうすぐ11ヶ月になるけれど。わたしはまだまだ、この国のことをぜんぜんよく知らない。マニラ首都圏と、ラグナ州には詳しくなったけれど。エリサのふるさと、イロイロ島ってどんなところだろう。7000以上の島がある、フィリピンてほんと不思議な国。また、戻ってこなくちゃ。イロイロ島に行ってみたい。わたしの寮にずっといた、お手伝いさんもその島出身だった。

わたしがマハダ村から、おみやげにもってきたカイミート(スターアップル)。
ひとくち食べてエリサは言った。「とりたてのほうがおいしい」
そのはず、もう収穫してから2日経っていたから。彼女の故郷、そこでの暮らしがなんとなく、想像できる。

・・・

週末を、いっしょに過ごしてくれたメグとエリサにさよならを言って、わたしはマニラへと戻るバスに乗った。
ありがとうの旅 が終わる。

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